消費者法判例百選〔第2版〕

秋が深まってきました
2020-11-13

消費者法判例百選〔第2版〕

以前、橋本奈奈先生と平野が共同して担当した事件(名古屋地判H23.5.19)が、消費者法判例百選〔第2版〕(有斐閣・2020年9月)No.36に掲載されました。

以下、消費者法ニュース89号に寄稿した原稿の一部を抜粋して記載します。

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要旨:いわゆる「パチンコ・パチスロ攻略法」は存在しないとして,消費者契約法4条1項2号に基づく攻略情報提供契約の取消を認めると共に,取引期間の冒頭のみ・中盤・終盤のみ取締役・代表取締役であった者について,刑法の「共同正犯からの離脱」・「承継的共同正犯」の議論を援用し,共同不法行為に基づき,認定された損害全額につき連帯して賠償するよう命じた事案。

解説:

本判決の特徴的な点は,取締役・代表取締役の責任部分である。

本事案の取引期間は約6年半に及び,その間,役員は交替を重ね,①Aは,取引期間冒頭で退任,②Bは,中途で取締役を一旦退任,その後,取締役・代表取締役に就任,③Cは,終盤で取締役に就任,という状況だった。

裁判所は,A・Bの退任後の責任について,「取締役及び代表取締役を退任する際に,被告会社のその他の取締役らや従業員らの行為を是正する措置をとり,その後の被害の拡大防止に努めたことを認めるに足りる証拠がない」と述べ,また,Cの就任前の責任について,「遅くとも平成19年2月ころ以降は,被告会社の従業員として被告会社の営業に関わっていたことが認められるし,また,原告は,同日より前から既に,被告会社の取締役らや従業員らによる違法な勧誘行為により,被告会社が提供するパチンコ及びパチスロの攻略情報に従って遊技すれば,確実に利益を上げることができると誤認している状態であったところ,Cは,かかる原告の誤認状態を認識し,それを利用して,さらに新たな契約を締結するよう勧誘する行為に関わっていた」と述べて,認定された損害全額の賠償義務を負うと判示した。